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基礎知識

ハイグレードビルとは?Sクラス・Aクラスの定義と当サイトの判定基準

公開 2026/8/23

オフィスビルを探していると「Sクラス」「Aクラス」「ハイグレードビル」という言葉に必ず出会います。ところが、この分類には業界で統一された基準がありません。仲介会社・調査会社・デベロッパーがそれぞれの目安で使っているため、同じビルがある資料ではAクラス、別の資料ではBクラスと書かれることもあります。

この記事では、主要な調査機関が公表している定義を並べ、実務でどう読み替えればよいかを整理します。あわせて、当サイトがビルに付けているグレード表示の基準も明記します。

グレード分類の考え方

何を見て分けているのか

各社の定義に共通する評価軸は次の4つです。

  • 規模:延床面積と基準階面積(ワンフロアの貸室面積)
  • 立地:都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)かどうか、駅からの距離
  • 築年数:新耐震基準(1981年以降)は前提で、築15年〜20年以内が目安
  • 設備・管理:天井高、OAフロア、非常用発電、セキュリティ、管理体制

このうち数字で比べやすいのが規模で、多くの定義が延床面積と基準階面積の閾値を置いています。

主要な定義の比較

出典Sクラス(プレミア)Aクラス備考
ザイマックス総研(Aクラスに内包)延床1万坪以上・都心立地・築浅A〜Cの3区分が基本
仲介各社の一般的な目安延床2万坪以上、基準階500坪以上延床1万坪以上、基準階300坪以上、都心5区、築15年未満Sを別枠にする場合
ニッセイ基礎研(2005年)延床1万坪以上、基準階300〜500坪、都心3区中心スペック高度化の文脈

並べると、「延床1万坪・基準階300坪」がAクラスの共通ラインで、そこから延床2万坪・基準階500坪を超える突出した規模をSクラスと呼び分けているのが実態です。

「ハイグレードビル」という言葉の範囲

SクラスとAクラスの総称

仲介サイトや特集記事で使われる「ハイグレードビル」「ハイグレードオフィス」は、SクラスとAクラスをまとめた呼び方として使われることがほとんどです。「プライムオフィス」「高級オフィスビル」「大規模オフィスビル」「ランドマークビル」も、文脈によって同じものを指します。投資・鑑定の世界では「プライム」という語が使われ、仲介の現場では「ハイグレード」「Sクラス」が一般的です。

中規模ハイグレードという別枠

2010年代以降、野村不動産のPMO、三井不動産のS-GATE、日鉄興和不動産のBIZCORE、住友商事のPREXのように、基準階100〜300坪の中規模ビルに大型ビル並みの設備を備えたシリーズが増えました。これらは「中規模ハイグレード」「ミッドサイズ・ハイグレード」と呼ばれ、規模の閾値ではAクラスに届かないものの、設備グレードでは同等とされます。当サイトでは基準階200坪以上のものを掲載対象に含めています。

当サイトのグレード表示

判定ルール

当サイトでは、公開されている建物諸元だけで機械的に判定できるよう、次の基準でS・Aを表示しています。設備や管理品質は評価に含めていません。

  • Sクラス:延床面積2万坪以上、または基準階面積500坪以上
  • Aクラス:延床面積1万坪以上、または基準階面積300坪以上、または高さ150m以上
  • 上記に該当しないビルは、掲載していてもグレード表示を付けていません

延床面積には商業・住宅・ホテル部分が含まれる複合ビルもあるため、オフィス部分だけで見ると実際より大きく見える場合があります。基準階面積が分かっているビルはそちらを優先して読んでください。

数字の読み方

基準階面積は「貸室面積」と「専有面積」のどちらで書かれているかで1〜2割変わります。事業者のプレスリリースは貸室面積(ネット)で書かれることが多く、Wikipediaなどの建築データは延床面積(グロス)が中心です。当サイトは出典の数字をそのまま載せているため、比較の際は同じ出典同士で見比べるのが安全です。

よくある質問

Bクラスとの境目はどこですか?

延床1万坪・基準階300坪を下回り、かつ都心5区立地で築浅・設備が新しいビルをBクラスと呼ぶのが一般的です。ただし中規模ハイグレードのように、規模はBでも設備はAというビルが増えており、境目は年々曖昧になっています。

築年数が古いビルはハイグレードになりませんか?

西新宿の1970年代竣工のビル群のように、大規模リニューアルで設備を更新し、現在もAクラス相当として扱われるビルはあります。築年数は目安の一つで、規模と立地、更新状況をあわせて判断されます。

グレードが高いほど賃料は高いですか?

同じエリアではおおむねその傾向です。ただしエリア差のほうが大きく、郊外のSクラスより都心のBクラスのほうが高いことは珍しくありません。グレードは賃料の指標ではなく、建物のスペックの指標として読んでください。

まとめ

ハイグレードビルの分類に統一基準はありませんが、延床1万坪・基準階300坪がAクラス、延床2万坪・基準階500坪がSクラスという規模の目安は各社で概ね共通しています。当サイトはこの数字をもとに機械的にS・Aを表示し、設備や管理品質は評価に含めていません。実際にビルを選ぶ際は、規模の数字に加えて、基準階の形状(無柱かどうか)、天井高、非常用電源、駅からの動線を現地で確かめることをおすすめします。

※ 本記事は公開されている調査資料・各社の解説をもとに2026年8月時点で整理したものです。